高濃度のカフェインは2型糖尿病のリスクを低下させる?

カフェインと糖尿病

こんにちは。

みなさんは日頃カフェインを摂取していますか?

カフェインといえばコーヒーを思い浮かべる人が多いかと思いますが、緑茶やほうじ茶、ウーロン茶、玄米茶、紅茶、さらにはコーラやエナジードリンクなど、さまざまなものに含まれています。

カフェインは睡眠との関係がよく指摘されますが、今回はカフェインと2型糖尿病の関連についてのお話しです。

さて、最近発表された新たな研究によると、血液中のカフェイン濃度が高いほど脂肪率の低下と2型糖尿病のリスクの低減が示唆されました。

実はこれまでの研究で、カフェインには体温上昇効果があることなどから、カフェイン摂取と体重や脂肪量の減少が関連していることが指摘されていました。

カフェインの摂取による熱発生反応は定量化されており、1日のカフェイン摂取量100mgごとに約100kcalのエネルギー消費が増加するとされています。そしてそれは肥満リスクを低下させる可能性があるとも考えられています。(あくまで可能性です)

また、他の研究では、コーヒーの摂取と2型糖尿病や心血管疾患のリスクの低減との関連も示されていました。

上記のメタ解析によれば、2型糖尿病のリスクはカフェイン入りコーヒー(カフェイン約70~150mg/杯)を1日1杯飲むごとに7%減少していたとのことです。(実はノンカフェインコーヒーでも1日1杯飲むごとにリスクは6%減少していましたが)

そんな研究もあることから、「血漿中のカフェイン濃度が高い状態が脂肪率、2型糖尿病に及ぼす影響を調べよう」ということでカフェイン代謝の遺伝子変異を利用したメンデルランダム化解析が行われたわけです。

結果は、血漿カフェイン濃度が高くなると予測された遺伝子変異を持つ人は低いBMIに関連性がありました。また、全身の脂肪量に関しても、血漿カフェイン濃度の上昇によって減少する傾向があることが認められました。

そして、血漿カフェイン濃度の増加は2型糖尿病のオッズ比低下につながっていました。

ではカフェインそのものが2型糖尿病に予防的に働いたのでしょうか?

この点について研究者は、カフェインによる2型糖尿病予防効果の43%はBMIの低下によるものだろうと推定しています。

つまりカフェインそのものが直接的に2型糖尿病のリスク低下に関与しているというよりも、カフェインによってBMIが低下傾向になること(体脂肪の減少傾向)が2型糖尿病のリスク低下につながっているのだろうということです。

カフェインがBMI低下につながる可能性が示唆される背景には、前述のカフェインによる体温上昇からのエネルギー消費の他に、血漿カフェイン濃度が高くなるほど満腹感が高まりエネルギー摂取が抑制されるメカニズムも考えられています。

ということで今回の研究は。カフェイン摂取と脂肪の燃焼の増加との関係を示唆する既存の研究を支持していることと、カフェイン摂取の増加が体重の減少につながり、それによって2型糖尿病のリスクが低下する可能性があることが示唆されました。

ただし、この研究は因果関係を証明するものではないため更なる臨床研究が必要であり、単にコーヒーの摂取量を増やすことを推奨するものではありません。

今後はカロリーオフのカフェイン入り飲料が肥満や2型糖尿病のリスク低減に役立つかなどの研究が進むかもしれませんね。

今回の結果をもって、今までカフェインを積極的に摂っていなかった人があえてカフェイン摂取量を増やす必要はありませんが、カフェインを摂取する場合は睡眠に影響が出ないように摂取する時間には注意しましょう。

ではでは。

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