超加工食品は2型糖尿病患者の死亡リスクを高める可能性

超加工食品と2型糖尿病

さて今回は、超加工食品の摂取は2型糖尿病の死亡リスクに関連しているのか?というお話です。

2型糖尿病患者に対する食事療法は栄養バランスの取れた食品を摂取することが推奨されており、食品加工レベルにかかわらず地中海食のような食事パターンが海外では推奨されています。

そして、食品カテゴリーでいけば超加工食品(複数の食材を工業的に配合して製造された加工度が非常に高い食品で、ソーセージ、菓子パン、清涼飲料水などがあげられる)は控えることが推奨されます。

なぜかというと超加工食品は一般的に、栄養価に乏しく、高カロリー、砂糖、ナトリウム、不健康的な脂肪を含むことが多いため、超加工食品の摂取量が増えると2型糖尿病患者の健康リスクを悪化させる可能性が考えられるからです。

それでは超加工食品の摂取は本当に2型糖尿病の死亡リスクを高めるのでしょうか。

以下の論文をみてみましょう。

上記の研究は188項目の食物摂取アンケートに回答した2型糖尿病患者1,065人を対象に超加工食品摂取と死亡率との関連を評価した前向きコホート研究です(中央値11.6年間)。

なぜそのような研究が行われたかというと、超加工食品の摂取は心血管疾患リスクや早期死亡などに関連することが既存の研究で示されているものの、超加工食品を多用する食事は糖尿病患者でも同様に不健康的かどうかについてはよくわかっていなかったからです。

ということで研究結果がどうであったかというと、2型糖尿病で超加工食品の摂取量が多かった人は超加工食品の摂取量が少かった人に比べて死亡リスクが60%高くなっていました。

また糖尿病患者の主な死因である心血管疾患による死亡リスクは2倍以上になっていました。

具体的には超加工食品の摂取量が最も少ない場合(総食事量の4.7%未満)と比較して、摂取量が多い場合(総食事量の9%以上)は、心血管疾患(HR=2.64、95%CI、1.59-4.4)および全死亡(HR=1.7、95%CI、1.25-2.33)の危険性になっていました。

結論として超加工食品の摂取と心血管疾患および全死因死亡率との間に直線的な用量反応関係が認められたと報告されています。

注目すべき点として、研究参加者が地中海式ダイエットをよく守っていた場合でも超加工食品に関連したリスクの増加が観察されたことが挙げられます。

つまり健康的な食事でも超加工食品の悪影響を克服できない恐れがあるということです。

ということで研究をまとめると

  • 超加工食品の摂取量と死亡率との間には直線的な用量反応関係があることがわかった
  • 超加工食品の悪影響を克服するには健康的な食生活だけでは不十分かもしれない

ということです。

以上のことからは、超加工食品の摂取はできるだけ控えた方がいいことは間違いなさそうですね。

健康的な食事でも超加工食品の悪影響を相殺できない恐れがあるとのことではありますが、抗炎症物質を豊富に含んだ食事を続けることは身体を健康的に維持するために必ず役立つと考えられます。

野菜・果物・全粒穀物・ナッツ類・大豆類・豆類などの植物性食品を中心とした食事は糖尿病でもお勧めなので、ぜひ取り入れてみてください。

ではでは。

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