添加糖と果物の果糖の健康リスクは一緒なのか

添加糖と果物の果糖の違い

こんにちは。さて今回は「果糖があるから果物は食べられない」と思っている方には目から鱗の内容です。

どーゆーこと?と思っているかもしれませんね。

早速、論文を紹介していきましょう。

こちらは、さまざまな種類の砂糖が心臓病のリスクにどう影響するのかを調査したものです。

なぜこのような研究が行われたかというと、「糖質をたくさん摂ると心臓に悪い」とよく言われるものの具体的にどの種類の糖質がどれだけ影響するのかははっきりしていませんでした。特に果糖がどれだけ心臓に影響を与えるのかについてはよくわかっていなかったからです。

そこで研究では、看護師や医療関係者など約11万人以上の人々を長期間(最長で40年)追跡調査しています。そして追跡期間に、どのような食事をしているのか、特に糖質や炭水化物の摂取量はどれくらいかなどを定期的にアンケートで調査しています。

それでは結果をみていきましょう。

追跡調査では約9,700件以上の心臓病の新規発症がありました。解析の結果、特にブドウ糖が多い食事をしている人は心臓病のリスクが高くなっていました。一方で、果糖が多い食事をしている人はそれほどリスクは高くなりませんでした。

ただし、果糖もその供給源によってリスクに違いがありました。

具体的には、果物や野菜から摂る果糖は心臓病のリスクを高めていませんでしたが、加工食品やジュースなどに添加された果糖はリスクを高める恐れがあったのです。

糖質と心疾患リスク

果物は抗酸化作用や抗炎症作用があり、食物繊維も含むために消化吸収が緩やかになりがちです。

一方でジュースや清涼飲料水に含まれる果糖ブドウ糖液糖などには果物のような保護的作用はなく、吸収も早くなり、総摂取量も多くなりがちです。

上記のような違いが身体に対する健康リスクの違いとして出ているのかもしれません。

最終的にこの論文では、心疾患疾患予防のために添加糖およびジュースからの総ブドウ糖および糖果糖の摂取を減らすよう推奨しています。また、果物と野菜からの果糖摂取量は心疾患リスクと関連しなかったことから、果物や野菜以外からの果糖摂取は減らし、添加糖からの総ブドウ糖と総果糖摂取を減らすことは心疾患予防にとって重要である。とのことです。

ということで果物(や野菜)からの果糖摂取は必要以上にビビることはないようですね。

とはいえ、「自分は血糖が心配で果物を控えているんだ!この研究は心疾患との関係だけじゃないか!」という声も聞こえてきそうです。

そこで、そのような人のために次の研究をみてみましょう。

この研究は米国の医療従事者を対象に、長期間(最長で24年)行われた追跡調査で、研究の目的は果物摂取が2型糖尿病のリスクと関連があるかどうかを明らかにすることです。

結果としてはブルーベリー、ブドウ、リンゴの摂取量が多いほど2型糖尿病のリスクが低く、一方でフルーツジュースを多く摂ると2型糖尿病のリスクが高くなるというものでした。

研究によれば、ブルーベリー、ブドウ、リンゴを週に3回以上食べると2型糖尿病のリスクがかなり低くなるとされていて、特にブルーベリーは効果が高いようです。

一方で、フルーツジュースは果物そのものと比べて糖分が多いため摂りすぎには注意が必要だとのことでした。

続いてこちらの論文をみてみましょう。

この研究は、果物の摂取と糖尿病の関連について調査されたものです。オーストラリアの約7,675人(男性45%、女性55%)を対象に、果物と果汁の摂取量を調査し、それと糖尿病のリスクとの関連が解析されています。

結果は、果物の摂取量が多い人はインスリンの働きがよく糖尿病のリスクは低くなっていました。さらに5年後に糖尿病になるリスクは果物をよく食べる人で36%低くなっていました。

つまり研究結果からは、果物をしっかりと摂ることで糖尿病のリスクが減少する可能性が高いと考えられました。

一方で、果汁には糖尿病リスクを軽減するような効果は見られませんでした。果汁は果物そのものと比べて糖分が多く、その他の栄養素が少ないため摂りすぎには注意が必要だとのことです。

先の研究と同じことを言っていますね。

ということで、果物の摂取は果糖以上に抗酸化作用や抗炎症作用、食物繊維の摂取などのメリットが大きく心疾患のみならず2型糖尿病にも保護的な要素があるようです。

「果物は果糖があるから」という理由だけで必要以上に果物を恐れず、推奨摂取量である200g/日を目指して食べていきましょう。

それでは今回はこのへんで。

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