こんにちは。
さて、みなさんは果物はお好きですか?
果物は様々な種類のものを1日200g摂取することが推奨されているのですが、多くの人は推奨量に達していません。
果物摂取が増えない原因は多岐にわたると思いますが、よくある勘違いとして『果物=果糖』からの『果物=身体によくない面がある』という点があります。
果糖によって脂肪肝が促進する。などと不安を覚えて果物を避けている人はいないでしょうか。
そこで今回は果物摂取と脂肪肝の関係を調べてみました。
果物の摂取は肝脂肪に影響を与えるのか?
まずは果物摂取と体重・肝脂肪の関係を調べた研究をみてみましょう。
こちらの研究では健康な非肥満者30名を、果物摂取群とナッツ摂取群に分けて、それぞれ7kcal/kg体重/日を日々の食事に加えて2ヶ月間経過をみたというランダム化比較試験です。
果物群については1日体重1kgあたり9.58gの果物を摂取していました。
結果は果物の摂取は体重や肝臓脂肪に影響を与えませんでした。論文では『果物摂取量の増加は安全であると思われる』と結論づけられています。
しかしながら、対照的なもう1つのランダム化比較試験もあります。
こちらは非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の方に果物をたくさん食べさせたら肝脂肪などはどうなるのかを調査しています。
研究によると、4サービング/日以上の果物の摂取は、NAFLD患者の肝脂肪が増加することが示されました。
ところが、この研究では参加者は平均して体重が7kg増加しており、高カロリー食が肝脂肪の増加に関係していることが示唆され、果物の摂取そのものだけが肝脂肪の増加につながっているのかは定かではありませんでした。
果物は健康的な食品の1つ
さて結局のところ果物の摂取はよいのでしょうか?
研究レビューでまとまっています。
論文を簡単にまとめると、果物はビタミン、ミネラル、ポリフェノール、食物繊維が豊富であり、これらは健康的な食生活に必須の栄養素だよ。1日に様々は種類の果物を摂取することは、多くの疾患のリスク低減につながると考えられるよ。
とのことです。
米国では果物は野菜類と一緒に考えられることが多く、よくFruits & Vegetables (F&V)と一括りにされています。そしてF&Vは炎症を抑える役割もあり、早期死亡を予防するなど健康を促進する効果が期待されています。
先の研究では、疾病予防のためにF&Vの消費を増やすことが科学的に強く支持されていて、F&Vが心血管疾患の予防において有効であるとのことです。また、アブラナ科の野菜、緑の葉野菜、柑橘類、ベリー類などの多くの種類のF&Vが、慢性疾患に対して良い影響を与えること考えられるとのことです。
ということで、脂肪肝がこわくて果物摂取を控えるよりも適切な量(日本人であれば200g/日)の果物摂取はむしろ健康に役立つので、必要以上に恐れずに食べていきましょうね。
様々な種類の果物を食べるとよいのですが個人的にはブルーベリーはお勧めです。
ではでは。