過体重の減量には緑茶サプリ?

体重減少に緑茶サプリ?

楽して体重を落とせる方法はないかしら?

過体重の多くの方の切実な悩みではないでしょうか。

特に2型糖尿病の場合、病院でも「体重を減らしましょう」と耳にタコが異常増殖するくらい聞いていると思います。

私個人としては「何かのサプリメントを飲んだら減量する」という魔法のような減量方法はないと思っていますが(医薬品は除く)、それでも何かないかなーと思ってしまうのが人の性ですね。

ということで、減量についてサプリメントなどの話をすることは少ない私ですが、今回は新たな論文を読んだのでお知らせいたします。

論文研究の結果が日本人のあなたに当てはまるとは言えないので、あくまで参考にとしていただいて、記事を読んだあとにどうするかはご自身の判断でお願いいたします。


こちらの論文は緑茶(Green Tea:GT)サプリメントの過体重および肥満の女性の体重、体格指数(BMI)、ウエスト周囲径に対する影響を明らかにするために行われたランダム化比較試験(RCT)のメタ解析です。

実はこれまでもGTサプリが肥満女性に対して減量効果があるとかどーとか言われていたわけですが、研究によって結果が一定ではないのでRCTをメタ解析してみようとなったわけです。

ということで上記の論文では、GTサプリメントをプラセボと比較した場合、過体重および肥満における体重、BMI、およびウエスト周囲径に有意な変化があるのかを評価しています。

研究対象者は過体重か肥満(平均BMIが25~45)の成人女性(平均年齢22~62歳)で、15のRCTのメタ解析が行われました。

RCTは、イラン(8試験)、ブラジル(2試験)、米国(1試験)、マレーシア(1試験)、中国(1試験)、台湾(1試験)、オランダ(1試験)で実施されていて、介入期間は25日から5ヵ月でした。

気になる結果はどうだったかというと、GTサプリの摂取によって体重は-1.2kg、BMIは-0.48、ウエスト周囲径は-3.5cmと、それぞれに減少効果が認められました。

用量反応解析では1000mg/日以上のGTサプリ摂取で体重とBMIが減少していたとのことです。

ということで、論文では「GTサプリメントは過体重および肥満の女性の体重、BMI、ウエスト周囲径を減少させており、肥満女性において1000mg/日以上、8週間以上のGTの使用は検討できる。」と言っています。

体重が多い女性の方には朗報かもしれませんね。

一方で、日本人の研究ではないのでそこは気になりますね。

そこで日本人の研究を調べてみたところ、次のような論文が見つかりました。

こちらの論文は日本人における茶カテキンの内臓脂肪減少効果について7件のRCTをメタ解析したものです。

結果としては、高濃度の茶カテキンを含む飲料(茶カテキン539.7mg/日以上)を12週間摂取すると、健康な日本人被験者(BMI25以上30kg/m2未満)の内臓脂肪と体重が減少したとのことでした。

最初の論文のGTサプリと茶カテキンでは容量を同等に比較することができないと思いますが、茶カテキン540mgなら摂取困難という量ではない気はします。

とはいえ、茶カテキン540mg/日はそれなりの量ですから、摂取量はもう少し抑えられないかな?と思っていたらこんな論文がありました。

こちらの論文では緑茶カテキン(エピガロカテキン-3-O-ガレート:EGCG)の肥満に有効な量を摂取し続けるのは大変なので、柑橘類ポリフェノールの一種であるα-グルコシルヘスペリジン(gH)を併用することでEGCGの摂取量を抑えて体脂肪減少効果を得ることができないだろうか?ということを研究しています。

対象者は30~75歳の健康な日本人男女60人です。

この無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較臨床試験では、緑茶とα-グルコシルヘスペリジン(GT-gH)(178mgのgHと146mgのEGCG)を12週間摂取してプラセボと体重やBMIを比較しています。

摂取の安全性については身体診察、血液検査、尿検査などによって確認されています。

結果ですが、GT-gHはプラセボと比較して体重増加を抑制し、体格指数(BMI)を低下させていました。

特に50歳未満では、中性脂肪と体脂肪率、体重、BMI、血中LDL/HDL比も減少していたようです。

といっても体重減少効果はわずかでしたから(12週で0.5kgも減らない)、減量効果というよりは体重増加抑制効果がありそうと考えた方がよいかもしれません。(プラセボ群では体重が最大1kg程増加していました)

個人的な感想としては、緑茶サプリ・茶カテキンで体重減少するのかもしれませんが、やはり根本的な食習慣を見直して、加工度の低い植物性食品を中心として赤身肉や超加工食品、添加糖を控え目にする食パターンが長い目で見てもよいのではないかなと思います。

ではでは今回はこの辺で。

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