16時間の時間制限食の効果的な食事時間はいつなのか

時間制限食

みなさんは時間制限食を試してみたことはありますか?

時間制限食とは1日のうちで食事を摂る時間を決めてしまい、残りの時間は食べないという食事方法です。

よく耳にするのが1日のうち食事摂取可能時間を8時間に設定し、残りの16時間は食べないというパターンですね。

8時間の中であれば食事制限はないわけですが、自由摂食であっても8時間の制限があると時間制限がない場合に比べて摂取カロリーが減少したり、絶食時間の間にオートファジー(細胞内の老廃物や有害物質などを回収・分解して新しいものに作り変えるようなこと)が起きるなどの理由から、食事パターンの1つとして検討されることがあります。

1日のうち食事ができる時間は8時間!と決めたとして、では何時から何時までを摂食時間にするとよいのでしょうか。

食べる時間の設定よって体には何か異なる影響があるのでしょうか。

どうせやるなら少しでも効果的に行いたいものです。

ということで、調査をしていたら、かの有名な科学雑誌Natureに論文が見つかりました。

こちらの研究では90人の肥満のない健康人を対象に、以下の3群に無作為に分けて5週間の比較検討が行われています。

1:eTRF(6:00~15:00の8時間以内で食事、それ以外の時間は水、風味付き炭酸水、無糖のお茶、コーヒーのみ)

2:mTRF(11:00~20:00の8時間以内で食事、それ以外は同上)

3:対照群(自由食)

何が検討されたかというと、インスリン抵抗性やエネルギー摂取量、空腹時血糖、体重、体組成、血圧、血中脂質濃度、炎症マーカー、肝酵素、免疫細胞、腸内細菌叢、睡眠の質、食欲の変化などでした。

結果をみてみると、eTRFがmTRFよりもインスリン抵抗性の改善の点で有効であることが示されました。

さらに、eTRFは空腹時血糖値を改善し、総体量と脂肪率を減少させ、炎症を改善し、腸内微生物の多様性も増加させていました。そして試験中に重篤な有害事象は報告さませんでした。

その結果、論文では、eTRFはmTRFと比較してインスリン抵抗性および関連代謝パラメータに対してより大きな効果を示した、とまとめられています。

さて、研究を少し詳しくみてみると、eTRFとmTRFはカロリー摂取量はeTRFとmTRFでは減少したのに対し、対照群では減少はなくTRF群間での差はありませんでした。

それなのに、なぜ両群で差がでたのでしょうか。

分泌物質の日内変動や時計遺伝子発現などが関連しているのではないかと考えられているようです。

研究では、eTRFはグレリンとレジスチンの日内リズムに影響を与えていて、また、eTRFはヒト時計遺伝子の日内リズムを高める可能性があることがわかったとされています。

ということで、たまにTRFを取り入れてみようかなという場合には、朝食を食べることを前提にした方がよさげな感じですね。

現実的には朝食を6:00-8:00くらいに食べて、15:00-16:00以降は固形物はお休みするという形がいいかもしれません。

絶食時間も水分摂取は忘れずに補給していきましょう。

ではでは今回はこのへんで。

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