筋トレは低強度でもなんとかなる

トレーニングをする女性

こんにちは。

今回は筋トレをするにあたって高強度は無理だ!という方への朗報です。

糖尿病を改善させるためにインスリン非依存的に血糖を低下させてくれる骨格筋(特に速筋)を増やしたいことは以前の記事で書きました。

そして血糖を低下させるためにAMPK活性を効率よく高める方法として高強度の筋トレがよいだろうことも書きました。

一方で高強度の筋トレは身体の痛みがあってできないという方や、痩せ型糖尿病で本当に全然強度を上げてできないという方もいます。

高強度で筋トレができないということは、必然的に低強度から中強度になるわけですが、今回は低強度の筋トレでも筋肥大はできるというお話です。

『低強度高回数の筋力トレーニングの効果について』

Strength & Conditioning Journal Japanに掲載されていた報告になります。(Volume 27, Number 6, pages 20-28)

同報告によると、低強度でオールアウトまで行うトレーニングでも、高強度オールアウトのトレーニングに劣らない筋肥大を示したとのことです。

同報告ではトレーニング経験のない男子大学生を低強度オールアウト群と高強度オールアウト群に分けてベンチプレスを8週間行ってもらい、大胸筋と上腕三頭筋の比較をしています。(低強度オールアウトさせずバーベル挙上速度が低下してきた段階でトレーニングを止める群もありますが、ここでは割愛します)

低強度トレーニングは40% 1RMで行っていて、1セット目の反復回数は約40回できています。

高強度トレーニングは80% 1RMで、1セット目の反復回数は約8回です。

40回程反復できる負荷と聞けば、1回1回の動作における重量負担はかなり軽いと想像できますね。

軽い負荷でも良いということは、高重量を扱えない方にはもってこいです。

低重量でよいために高重量を扱うのに比べて怪我のリスクも減りますし、1回1回のフォームもしっかり意識して行うことができます。

バーベルやダンベルがなくても自重トレーニングでも筋肥大できるとなれば、やる気が沸いてきたのではないでしょうか。

では低重量で1セット40回くらいやって終了でいいのかというと、そういうわけにもいきません。

同報告では低強度トレーニングの1セット目は約40回、2セット目は約19回、3セット目は約15回を行っています。

そして低強度トレーニングの場合はトレーニング量が重要だといっています。

つまり軽い負荷でやるなら回数をこなせと言っているわけです。

自重スクワットや腕立てを数十回やって今日は終了!としていてはトレーニング量は足りないかもしれないということです。

逆を言えば、隙あればちょこちょこと回数をこなすことでトレーニング量は増やすことができます。

『隙あればトレーニング法』で筋肥大すると報告されているわけではないですが、少なくともトレーニング量を増やした方がいいわけですし、低強度かつ低トレーニング量では筋肥大は起きないでしょう。

高強度トレーニングが難しい方は、まずは低強度でよいので回数をこなしてトレーニング量を確保していきましょう。

そして筋肥大を起こして骨格筋に取り込まれる血糖量を増やし、血糖値を低下させていきましょう。

ちなみに高強度トレーニングはする意味がないのかというと、高強度トレーニングでは低強度トレーニングと比較して有意に筋力が向上していたとのことです。

両群ともにトレーニング前の重量は約58kgでしたが、高強度群では約74kgまで挙上できるようになっています。(低強度群では約65kg)

低強度群でも扱える重量は増えていますが9kgの差は大きいですね。

せっかく筋肥大しているのであれば筋力も上げて、扱える重量も増やしたいところですから、低強度トレーニングで慣れてきたら高強度も取り入れたいですね。

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