サラシアは本当に血糖上昇を抑制するのか?

サラシアと食後血糖

みなさんはサラシアをご存じですか?

サラシアは腸からの炭水化物の取り込みを阻害することにより血糖上昇抑制効果を示すと考えられているアーユルヴェーダでも使用されてきた歴史ある薬草です。

コタラ・ヒンブツという別名でも知られています。

今回は、サラシアの血糖上昇抑制効果について科学的な情報を調査しました。

サラシアは炭水化物吸収抑制作用で血糖上昇を抑えるようですが本当でしょうか。

ということで早速サラシアに対する研究をみてみましょう。

こちらの研究では、2型糖尿病患者において炭水化物食摂取後の食後血糖およびインスリン血症に対するサラシアの効果を検証しています。

この研究は66名の糖尿病患者を対象とした無作為二重盲検クロスオーバー試験で、被験者はコントロール食(炭水化物110g、脂質12g、タンパク質18g)、コントロール食+サラシア240mg、コントロール食+サラシア480mgの3食のうち1食を摂取して、摂取前時と食後180分までの血糖値・インスリンを測定されています。

結果、サラシアはコントロール食に対する食後血糖とインスリンを有意に低下させていました。

また480mgの方が240mgより食後血糖ピークの低下効果があったようです。

サラシア摂取後の食後血糖推移

ということで、こちらの研究ではサラシアが食後血糖コントロールに有効である可能性があると結論づけています。

さて、上記の研究はサラシアの短期効果をみているわけですが、長期的な結果も気になりますね。

ということで下記の論文です。

こちらの研究は2型糖尿病患者を対象としてサラシアもしくはプラセボを3か月間ずつ内服した無作為二重盲検クロスオーバー試験です。

被検者は『サラシア3ヵ月→プラセボ3か月』群と『プラセボ3ヵ月→サラシア3か月』群に無作為に割り付けられています。

結果としてサラシア内服終了時のHbA1cはプラセボ治療終了後よりも有意に低くなっていました。

そのため、サラシアは2型糖尿病の有効かつ安全な治療法になる可能性があると結論されています。

ということでサラシアには血糖上昇抑制効果がある人はいそうですね。

さらにサラシアが食後血糖上昇抑制効果を示したとする研究は他にも以下のようなものがありました。

ここまでくるとサラシアによって食後血糖上昇が抑制される人はいるといえそうですね。

ちなみにサラシアはαグルコシダーゼ阻害薬様の作用によって食後血糖上昇を抑制するようです。

さてさて、上記の研究達は海外のものですから日本の研究はないか調べてみたらありました。

上記研究では2つの無作為二重盲検プラセボ対照試験が行われています。1つ目の試験は、食後高血糖に対するサラシア効果の用量依存性を検討するために、150、300、600mgのサラシアまたはプラセボを単回投与するクロスオーバー試験です。

結果としてサラシアは食後血糖値、インスリンなどをサラシアの用量依存的に抑制したとのことです。(つまり600mgが最も効果を示した)

2つ目の試験ではサラシア600mg/日のサラシアを12週間内服したところ、HbA1cなどが有意に改善したとしています。

ということで、研究結果をみていくとサラシアには食後血糖上昇抑制効果がありそうです。

すでにαグルコシダーゼ阻害薬を内服している人では恩恵はなさそうな気はしますし、作用機序を考えると食事の時に内服するのがよさそうです。

ではでは。

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