今回は充実した昼食を食べる方法を学びましょう。
糖尿病を改善させるための食事原則は変わりませんが、昼食はエネルギー維持の観点から若干の工夫が必要です。
改めてですが食事の原則はとてもシンプルです。
低脂質で栄養素が豊富な青カテゴリーの食品を必要な分だけ食べて、黄カテゴリーの食品は控え目にして、赤カテゴリーの食品をできる限り避けます。
これらの推奨事項は昼食にも当てはまりますが、昼食は長い活動時間の間に摂る食事であることから、エネルギーが長続きする食事を摂取することが必要となります。
そのため充実した昼食を食べることができたかどうかについて、次の点を確認してください。
- 食後3〜4時間は活力があり、空腹感がない
- 食後に眠気を感じず、午後を通して集中することができる
昼食のポイントは、低脂質の他に食物繊維とカロリー密度が高い食材を摂取することです。
具体的には、玄米、オートミール、アマランサス、キノア、キビなどの全粒穀物やジャガイモ、カボチャ類、ヤマイモ、ナガイモ、トウモロコシ、豆類などを選びます。
もち麦ご飯などもよいでしょう。
パスタやパンを食べたいときは全粒粉パスタや全粒粉パンを選んでください。
上記の食品でカロリー密度を高めて、そこに果物や野菜摂取してお腹を満たしましょう。
野菜はブロッコリー、カリフラワー、タマネギ、ナス、トマト、オクラ、アスパラガス、キュウリ、ズッキーニ、大根、キノコ、ビーツ、レタス、ほうれん草など、カロリーの少ない野菜を選びます。
昼食には食物繊維とカロリーが多いものを摂取することがポイントですが、それはなぜでしょうか?
空腹感を減らす食品の要素の1つにバルクと呼ばれるものがあります。
バルクとは、水と食物繊維を合わせたものであり、日本語では『大きさ、容量、かさ』などと呼ばれます。
バルクはその容量で胃、小腸、大腸を機械的に伸ばすことで満腹感を高めるために最も効果的であることから、食品中のバルクの量は食事の満足度を高める重要な決定要素であるとされています。
つまり、水分と食物繊維が多い食品を食べることは食事の満足感を高めます。
さらに食物繊維が豊富な食品を食べると、マイクロバイオーム内の細菌がそれを短鎖脂肪酸に発酵させ、免疫機能を高め、インスリンシグナル伝達を改善してインスリン感受性を促進します。
以上の観点から、昼食にはカロリー密度が高く食物繊維をしっかり摂取することがお勧めです。
全粒穀物や野菜(でんぷん質、非でんぷん質を含む)、果物、豆類を積極的に摂取していきいましょう。
毎日の味付けにはスパイスやハーブを使用することで変化を楽しむことができます。
シナモン、カルダモン、キャロブパウダー、クローブ、クミン、パプリカ、カレーパウダー、黒コショウ、赤唐辛子、タイム、オレガノ、セージなどのスパイスやハーブを使用して、料理に好みの風味を付けましょう。
さあ、充実した昼食を食べ始める時が来ました。
今後7日間にわたって血糖値を監視し、どのような影響が見られるかを確認してください。