塩、油、砂糖について

糖尿病を改善させるためには塩、油、砂糖を含む食品を最小限に抑えることを意識しましょう。

塩、油、砂糖を食事から減らすことは難しいように感じるかもしれませんが、そうすることは糖尿病の改善につながります。

一般的に糖尿病の方がなかなか改善しないのは塩分、油、砂糖を控えることが上手くできていないからです。

塩、油、砂糖を使用しない料理に最初は戸惑うかもしれませんが、やってみると意外とすぐに美味しくて満足のいく食事を作ることができるようになります。

まずはから始めましょう。

食塩には塩化ナトリウムと呼ばれるナトリウムが含まれています。

ナトリウムは、食塩の他にも保存料や風味剤などに添加されています。

加工食品の成分を見てみましょう。

酢酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどといった形でナトリウムが含まれていることがわかります。

ナトリウムは他にも、サラダドレッシング、缶詰食品、チーズ、焼き菓子、ジャム、ゼリー、および塩漬け肉や缶詰肉などで簡単に見つけることができます。

過剰な食事性ナトリウムは血圧を上昇させ、血管の内側(内皮と呼ばれる)を損傷し、全身の動脈硬化を促進します。

塩分摂取後1〜2時間以内に血管の柔軟性が50%も低下することがあります。

このため、塩分や加工食品からのナトリウムの摂取を最小限に抑え、心血管系の合併症から身を守ることが重要です。

加工肉には未加工肉の平均4倍の量のナトリウムが含まれています。

研究者は1日に50グラムの加工肉を1食摂取するだけで、心臓血管疾患のリスクが27%増加する可能性があると計算しています。

また、フィンランドの研究者は12年間で24,000人以上のデータを分析し、ナトリウムが2型糖尿病リスクの最も強力な予測因子であることを発見しました。

では、塩分を控えるためにはどうしたらいいでしょうか?

まずは加工食品を最小限に抑えましょう。

また、味付けに食塩を使用する代わりにスパイスを使うのも良い方法です。

塩分を控えることで食事が味気のないものになるのではないかと気になりますか?

塩分が多い食事に舌が慣れてしまっている場合はそう感じるかもしれません。

しかし、塩分を控えていくことで舌は徐々に回復します。

すると塩味以外の味覚も感じやすくなり、より多くの物を美味しく食べることができるようになります。

次はです。

油は実際には砂糖と同じように精製された製品であるとうことはあまり意識されていません。

油はオリーブ、ココナッツ、クルミなどから精製された脂肪100%の液体です。

油に含まれる主要栄養素は脂質だけです。

オリーブオイル、ココナッツオイル、MCTオイル、クルミオイル、グレープシードオイル、アボカドオイル、コーンオイル、キャノーラオイル、または米ぬかオイルのどれをとっても、すべてのオイルは純粋な脂肪になります。

元の自然食品から油を分離するためのプロセスは栄養密度を低下させます。

栄養密度の低下はビタミン、ミネラル、抗酸化物質、ファイトケミカルなどの低下を意味します。

ココナッツオイルとほとんどの植物油の主成分である飽和脂肪は、筋肉と肝臓のインスリン受容体の機能を低下させる恐れがあるため、最も一般的なインスリン抵抗性の原因となりえます。

これに加えて、ヒマワリ、トウモロコシ、大豆、綿実油などの油には、炎症誘発性オメガ6リノール酸がカロリーの30%以上含まれています。

そのため、オメガ6とオメガ3の比率が増加し全身の炎症が増加します。

さらにオメガ6が増加するとオメガ3は減少し、重要な抗炎症性必須脂肪酸であるEPAとDHAの生成が減少します 。

最後にです。

「炭水化物」と「糖」を混同し、すべての炭水化物エネルギーが「糖」になると誤解している人もいます。

自然食品に含まれる炭水化物は微量栄養素が含まれており、血糖の急激な上昇を抑えるために大量の食物繊維が含まれています。

糖の中でも砂糖は血糖上昇の他、肥満などに関与してくるため極力避けるのは周知の通りです。

自分で砂糖を食品に入れなかったとしても、甘い飲み物には果糖ブドウ糖液糖(含まれる果糖の量が50%以上90%未満)やブドウ糖果糖液糖(含まれる果糖の量が50%未満)などといった形で、身体に大量の糖が入ってくることを忘れないでください。

また、甘みはアスパルテーム、スクラロース、サッカリンなどの人工甘味料として身体に入ってくることもあります。

これらの人工甘味料は直接血糖値を上げないと言われたり、砂糖の何百倍も甘味があるため使用量が少なく済むことなどから、糖尿病に優しいと言われたりもします。

しかしながら、スクラロースを炭水化物と同時に摂取するとインスリン感受性に悪影響を及ぼしたり、甘味に慣れてしまうことで更なる甘味を欲するようになったりする恐れもあるため積極的に摂取する物ではありません。

砂糖を使わざるをえない場合に、砂糖の代替品として適量を摂取するというスタンスがよいでしょう。

もちろん摂取しなくて済むのであれば、摂取しない方がよいことは言うまでもありません。

さて、塩、油、糖について理解が深まったかと思います。

味覚の調整には時間がかかることを忘れずに、辛抱強く、あなたの健康を害している食品を取り除いていきましょう。

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