インスリン感受性を高めるための運動の利点

定期的な運動を行うことは慢性疾患の予防と改善などの効果がありますが、糖尿病で最も重要な点としては、インスリンの代用として機能するということです。


毎日の運動を行うと、血糖値をコントロールするために必要なインスリンの量を大幅に減らすことができます。


それは何故でしょうか。


運動で筋肉をたくさん使用すると、グリコーゲン(糖質の貯蔵形態)やトリグリセリド(脂肪酸の貯蔵形態)などのエネルギーを使います。

そしてエネルギーを使うと、消費したエネルギーを補充するために筋肉は栄養素をよりたくさん吸収しようとします。


つまり、運動で筋グリコーゲンを消費すると、食事で上昇する血糖を筋肉が速やかに吸収してくれるのです。


ではあなたに向いている運動はどんなものでしょうか。

運動は楽しんで行えるものでなければ長続きしません。

そこで運動の好みを明確にするために、次の質問に答えることから始めましょう。


あなたの一番好きな運動は何ですか?


ウォーキングやエアロバイクのような有酸素運動でしょうか、それとも筋肉トレーニングのような無酸素運動でしょうか。

一人で行うよりも複数人数がいた方がよいでしょうか。

もしくはスポーツが好きでしょうか?


これらの質問に対する回答を考えて、あなたが本当に楽しんで行える運動を明確にしましょう。


新しい運動を行うモチベーションを維持する最も簡単な方法の1つは目標を明確にすることです。

運動に慣れていない場合においてシンプルで効果的な目標は、1週間に180分間体を動かすことになります。

これは1日30分の週6日にもなりますし、1日60分の週3日にもなります。


1回に運動を行うことができる時間を考慮して1週間の運動を計画することは、達成可能な運動習慣を手に入れる簡単な方法です。


誰かに運動することを伝えておいたり、誰かと一緒に運動を行うことも、新しい運動を開始する際に強力なモチベーションとなります。

そのため、友人、同僚、または家族と一緒に新しい運動習慣を作成することをお勧めします。


また、自分一人で運動をする場合でも、グループを使用することで習慣にしやすくなります。

運動したことをお互いに知らせることや、毎週の運動スケジュールを共有して、他の誰かがあなたの運動計画を知っているようにします。


運動習慣を構築するもう1つの素晴らしい方法は、フィットネスグループやクラブに参加することです。

スポーツジムや公的な健康施設などで開催されている、さまざまな運動クラスを試してみましょう。


また、地元のウォーキングクラブやランニングクラブ、水泳クラス、ハイキンググループ、ダンスクラス、武道クラス、ボクシングジム、サイクリングチーム、ステップエアロビクスクラス、ヨガクラス、ピラティスクラスなどをインターネットで検索することもできます。


運動強度については、インスリン感受性を最大限に引き出すために会話が難しいと感じる程度の強度で行ってください。

いきなりキツ過ぎる強度で行う必要はありませんが、十分会話ができるくらい強度が低いとインスリン感受性を高める効果は低いです。


また、運動のモチベーションを高めるために音楽を聞くことはよい方法です。

好きな音楽を聞くことは、運動を楽しく一生懸命やることを助けてくれます。

お気に入りのテンポの良い曲でプレイリストを作成し、体を動かすモチベーションを高めてください。


ここまで準備が整ったら、最後に運動のスケジュールが目に見える形にしましょう。

運動を継続的に行うためには、やる気などの気分に任せていてはいけません。

やる気や気分に頼ると、予定を変更したり、言い訳をしたり、忘れたりする傾向が高くなります。


スマートフォンやホワイトボード、カレンダーなどを使って、スケジュールを目に見えるようにしておくことは、運動習慣を定着させるためには不可欠です。


もちろん体調不良などの時は運動をせずにしっかり休むことが大切ですが、原則として運動習慣は一貫性をもって取り組むことが重要です。


最初に週2日間の運動を行うと決めた場合には、体調不良を除いて予定通り行うことが重要です。

たとえ気分が乗っていなかったとしても運動を始めてしまえば、やってよかったと気分は変わってきます。

第1週の2日間から始めて慣れてきたら、週に1日運動を追加できないか考えます。


もちろん運動日が週6〜7日になると理想的です。

週に6〜7日間体を動かしたら、その方法を数か月間安定させ、身体的、精神的、および感情的にどのように感じるかを観察してください。


さあ、インスリン感受性を改善させるために運動を行う準備ができました。

早速、好みの運動を考えてスケジュール表に組み込みましょう!


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