何をどれくらい食べるといいのか

3日間の食事記録はいかがでしたか。

あなたの普段の摂取カロリーと主要栄養素をある程度は把握できたと思います。


そして、思っていたよりカロリーや脂質が多かった、タンパク質が少なかったなどの気付きがあったのではないでしょうか。

現状を把握できれば改善点も見えてきます。

それでは、いよいよ糖尿病改善法の食事を始めていきましょう!


今まで口にしてきた物で糖尿病が改善していないのであれば、これからは食べる物が変わっていくことになります。

まずは糖尿病改善法の食事の原則をお示しします(体重が多い場合)。


  • カロリー過剰を避ける
  • 脂質の摂取(特にトランス脂肪酸と飽和脂肪酸)を控える
  • 砂糖、果糖ブドウ糖液糖を避ける
  • 精製された炭水化物の摂取は全粒穀物に切り替える
  • タンパク質、野菜、果物をしっかり摂取する

痩せ型の場合は、カロリー過剰を避けるのではなく炭水化物とタンパク質をよりしっかり摂取して筋量を増量していくことになります。



難しそうに聞こえますか?

おそらく今まで口にしていたものが大きく変わると予想されます。


食事の内容を変えていくことは難しいでしょうか?


ここで、冷静になって考えてみましょう。

今までの食べ物で糖尿病は改善しているでしょうか?


もし糖尿病が改善していないのであれば、改善していくために変化があることは当たり前ですね。


自分の身体に取り入れる物を変えたとき、あなたは今までにない身体の変化を感じることができます。


では次に具体的な摂取カロリーや主要栄養素バランスを考えていきましょう。


まずはカロリーです。


最初に除脂肪体重を計算します。

除脂肪体重とは脂肪を除いた体重であり『体重 – 体脂肪』で推測します。


自宅で体脂肪が測定できない場合は、かかりつけ医の医療機関や公共の健康施設などを利用して測定してください。


例えば、体重60kgで体脂肪率30%だった場合を考えます。

体脂肪量は60×0.3 = 18kgになるので、除脂肪体重は42kgになります。


そして、除脂肪体重に×28.5を行うことでざっくりとした基礎代謝を計算します。

除脂肪体重が42kgであった場合は、18×28.5=1197になります。


つまり、体重60kg・体脂肪率30%の場合の基礎代謝は約1200kcalと推測されます。


基礎代謝が計算できたら、ここに日常生活動作による係数を掛けていきます。


  • ×1.3:デスクワーク、ほとんど歩かない、軽い運動を週1-2回
  • ×1.5:よく歩く(通勤通学など)、立ち仕事、軽い運動を週3-4回
  • ×1.7:肉体労働、1時間程度の運動を週5回
  • ×1.9:週5回以上の肉体労働や激しい運動


基礎代謝1200kcalの人の日常生活動作レベルが×1.5であったのなら、1日の消費カロリーは1200×1.5=1800kcalとざっくり計算できます。


つまり、理論的には1日1800kcal摂取していると体重は増えはしないが減りもしないということになります。


そして、減量の場合は-200kcal程度として、1日の摂取目標カロリーを1600kcalに設定しましょう。


逆に摂取カロリーを少なくし過ぎると基礎代謝も低下してしまうので、必要以上に摂取カロリーを落とさないことも大切です。


一方、痩せ型で増量が必要な場合はレジスタンス運動をした上で+100~200kcalとします。


摂取カロリーを把握したら、次はPFCバランスを考えましょう。


PFCバランスとは摂取カロリーに占める、P:タンパク質(Protein)、F:脂質(Fat)、C:炭水化物(Carbohydrate)の割合のことです。


PFCのそれぞれ1gあたりカロリーは、タンパク質 4kcal脂質 9kcal炭水化物 4kcalです。

健康的な身体を作るためには、PFCバランスを意識しなければいけません。


まずは身体を構成する大切な要素としてタンパク質は十分摂取しましょう。


減量時のタンパク質は除脂肪体重×2gを摂取します。(腎機能障害の場合は除きます)


上記の例の除脂肪体重42kgであれば、1日のタンパク質摂取量は84gです。

タンパク質は1g=4kcalですから、摂取カロリーは336kcalになります。


次はインスリン抵抗性を改善するために重要な脂質です。


脂質といっても飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸などを考える必要がありますが、まずはトランス脂肪酸と飽和脂肪酸の摂取量を控えることを意識しましょう。


脂質全体としては減量時も増量時も少なくとも全体の摂取カロリーの20%以下にすることが一つの目安になります。


さらにトランス脂肪酸は0、飽和脂肪酸は10%以内にすることが望ましいです。


1日1,600kcalであれば脂質摂取は320kcalとなり、脂質1g=9kcalであることから摂取量は35gとなります。


最後に炭水化物です。

炭水化物はタンパク質と脂質を除いた分を摂取することになります。


体重60kgで体脂肪率30%の場合の減量時は、ここまででタンパク質336kcal、脂質320kcalですから、1日1600kcalの場合は1600-336-320=944kcalとなります。


つまり炭水化物で944kcal、1g=4kcalですから784÷4=236gとなり、炭水化物は1日236gの摂取となります。


次は体重48kgで体脂肪率18%の場合の増量時を考えてみます。


除脂肪体重は48×(1-0.18)=39.36となるので39.5kgとしましょう。

基礎代謝は39.5×28.5=1125.75となり、活動係数を×1.5とすると約1688kcalとなります。


増量なので+100~200kcalとして約1800kcalあたりを目安にします。


タンパク質は除脂肪体重×3で118.5g(=474kcal)となります。


脂質は1800kcalの20%として360kcal(=40g)、炭水化物は1800kcalからタンパク質474kcal、脂質360kcalを引いて966kcal(=241g)となります。


ここまでで一応の目標カロリー、PFCバランスがわかりました。


しかしながら、これらはあくまで目安であり、体脂肪の変化や血糖の推移をみながらPFCバランスは調節していくことになります。


最初の段階では、タンパク質摂取を確保脂質を控えることが重要です。


一方で、目安通りに炭水化物をしっかり摂取すると食後高血糖になることも予想されます。


食後高血糖を抑えるためにも原則通り、炭水化物は精製されていない全粒穀物とすることが望ましいです。


それでは早速、新しい自分を作り始めましょう!


下のボタンを押してご自身の摂取カロリー、主要栄養素量のざっくりとした目安を計算してみてください。


メモ

性別:

生活強度:

体重は:

除脂肪体重:

1日摂取カロリー:

1日摂取タンパク質:

1日最大摂取脂質:

1日摂取炭水化物:


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