理想的な朝食を用意する

糖尿病を改善するために、早速、理想的な朝食の準備にとりかかりましょう。

食事の原則を知り、昼食も夕食も一気に変えたい人もいると思いますが、慌てる必要はありません。

食事は継続していくことが大切ですから、まずは1日1食、朝食から変えてみることをお勧めします。


朝食は、身体が最適に機能するための必要なエネルギーを与えるために重要です。

特に朝の時間に運動をしたい場合は、炭水化物が豊富な食品を食べることが運動中のエネルギーを維持するための簡単な方法です。


多くの人にとって、朝食には通常、精製された炭水化物(白米、パン、シリアルなど)が含まれています。

これらの精製された炭水化物は、特に食事の脂肪含有量が高いままである場合、望ましくない血糖変動を引き起こす恐れがあります。


それでは朝食は何を食べたらよいのでしょうか。

お勧めの朝食をみていく前に、自分の空腹時インスリン値と空腹時血糖がわかる方は以下のフォームに数値を入力して自分のインスリン抵抗性レベルを調べてみましょう。

空腹時インスリンと空腹時血糖が不明な方はかかりつけ医にお願いして測定していただくとよいでしょう。

空腹時を達成するためには10時間程の絶食時間が必要なので、前日22時までには食事を済ませて、翌日朝食を食べる前に採血してもらいましょう。

インスリ抵抗性(HOMA-R)チェック
※空腹時血糖140以上の場合は不適当

HOMA-R:

インスリン抵抗性:


明らかにインスリン抵抗性がある場合はStep2から始めてください。


1か月あまりStep2を試した後はStep1も検討してみましょう。

Step 1:果物を食べる

朝食にお勧めの1つは新鮮な果物をしっかり食べることです。

これは低脂質な炭水化物を身体に取り入れることを意味します。


果物は太るとか、糖尿病にはよくないと考えてきた方にとっては朝から果物をしっかり食べることに抵抗があるかもしれません。

しかし、糖代謝能力が低下するのは脂質を多く含む食品を食べた場合です。

食事中の脂質(特に飽和脂肪酸とトランス脂肪酸)と糖質の総量が高い場合に多くのインスリンが必要になるのです。


低脂質の果物を中心とした食事を朝に食べることは、逆を言えば脂質が豊富な食品を食べないことに繋がります。

マーガリンをたっぷりつけたトーストを食べることよりも遥かに健康的です。

さらに新鮮な果物には、ビタミン、ミネラル、食物繊維、水、抗酸化物質などの微量栄養素も含まれています。

微量栄養素は血糖が急激に上昇するのを防ぐのにも役立ちます。

一方、砂糖や、清涼飲料水などの甘い加工品に使用されている異性化糖(果糖ブドウ糖液糖やブドウ糖果糖液糖など)、アガベシロップなどの甘味料は、ビタミン、ミネラルなどの栄養素もなく、血糖値が急上昇する恐れがあります。


血糖を上げないために果物の摂取を控えてきた人にとって、朝に果物をしっかり食べることは抵抗があるかもしれません。

しかし、果物を朝食に食べても、血糖値の急上昇を引き起こさないことに驚く人は少なくありません。

果物を摂取することについて抵抗があるかもしれませんが、果物中心の朝食を7日間続けて食べてみましょう。

そして、血糖を測定できる場合は、食事後2〜3時間の血糖変化を記録してみてください。

具体的な摂取量の目安は次の通りです。

摂取基準1
果物1個 みかん、かき、もも、バナナ
果物半分 りんご、なし、ぶどう
1カップ(180-200ml) ベリー系(ストロベリー、ブルーベリーなど)
約100-120g その他の果物

朝食には摂取基準1×2は摂取しましょう。運動量が多いなどで活動的な方は×3などに増量します。

摂取基準1×2というのは、例えば、『みかん1個とバナナ1本』であったり、『りんご半分とブルーベリー1カップ』であったりということです。


さらに、オメガ3必須脂肪酸を摂取するために、大さじ1杯のチアシードや大さじ1杯のローストアマニ粒を追加できると素晴らしいです。

さらに抗酸化作用のあるシナモン、ナツメグ、カルダモン、またはクミンなどのスパイスを上にかけて、好きな味付けをしてください。


Step2:食物繊維と栄養密度を意識する

インスリン抵抗性が高い場合は果物の摂取でも高血糖を引き起こす場合があります。

その場合には食物繊維をよく摂取して、血糖値の上昇を防ぐ必要があります。

そのために以下を意識した食事をとりましょう。

1:果物を葉茎菜類や非デンプン質野菜に置き換える。

デンプン質の野菜は血糖を上昇させやすくなっているので、インスリン抵抗性が高い間は控えるようにします。

デンプン質の野菜にはイモ類、れんこん、カボチャ、トウモロコシなどがあります。

にんじん、ごぼう、玉ねぎ、パプリカなどは低糖質ではありませんが、100gあたりの糖質量は10g未満なので大量に食べなければ大丈夫です。

低脂肪で栄養価の高い葉茎菜類や非デンプン質野菜を積極的に食べていきましょう。

葉茎菜類

レタス、キャベツ、白菜、ほうれん草、小松菜、春菊、チンゲン菜、ブロッコリー、カリフラワー、アスパラガス、セロリ、パセリ、ふき、もやし、など


非デンプン質野菜

キュウリ、セロリ、ズッキーニ、トマト、ミニトマト、オクラ、ゴーヤ、なす、ピーマン、など


2:全粒穀物を果物と一緒に食べる。

全粒穀物は食物繊維も豊富であり、糖質の吸収を緩やかにします。

全粒穀物には玄米やオートミール、アマランサス、キノアやキビ、全粒粉パスタなどがあります。

ミューズリーはドライフルーツやナッツ類の内容量が多い物もありますが、基本的には全粒穀物と考えてよいでしょう。


また、豆類を摂取する方法もあります。

マメ科植物は栄養価が高く、タンパク質や食物繊維も含まれています。

このため食後早期の空腹を防ぐ可能性があります。

さらに、マメ科植物にはセカンドミール効果という、次の食事での血糖値の上昇を減らす作用もあります。

セカンドミール効果は、腸内細菌が急激な血糖を上昇を抑える短鎖脂肪酸を産生することに関係します。

繰り返しになりますが、十分な必須脂肪酸を取り入れるために、朝食時にはチアシードやローストアマニ粉などを加えることをお勧めします。

そして、シナモン、ナツメグ、カルダモン、クミンなどのスパイスを使用することで、自分の好きな味に調整しながら抗酸化力を高めることができます。


さあ、新しい朝食を作る準備が整いました。

まずは朝食を今までと変更して、身体にどのような影響が見られるかを確認してください。

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