自然食品は英語でwhole foods(ホールフーズ)と呼ばれます。
自然食品とは簡単にいえば食べるために人工的な加工などがなされていない(もしくは極力少ない)食品です。
私達の身の回りには様々な食品がありますが、今日あなたが口から身体に取り入れた食品はどのくらい人工的な加工を受けていたでしょうか。
例えば炭水化物を考えてみると、白米は精製という人工的な処理を受けており、自然食品とは言えません。
多くのパンや果物のジュースなども同様に加工などの処理を受けています。
つまり、自然食品を食べるということは、精製された白米ではなく玄米やオートミールなどの精製されていない全粒穀物を食べるということになります。
自然食品は、精製された炭水化物よりもビタミンなどの微量栄養素や食物繊維が豊富です。
そして微量栄養素や食物繊維は健康的な身体を維持するために役立ちます。
微量栄養素にはビタミンやミネラルなどがあります。
ビタミン
ビタミンは私達の身体における何千もの化学反応を助ける必須化合物です。
つまり、ビタミンはタンパク質合成と修復、DNA合成と修復、RNA合成と修復、グリコーゲン合成、脂肪酸合成、ホルモン合成、神経伝達物質合成など、身体を健康的に保つために必要となります。
ミネラル
ミネラルにはカルシウムやマグネシウム、鉄や亜鉛など多くの種類があります。
ミネラルも身体の重要な機能を果たしますが、私達が自分自身で作ることができないため適切な量を摂取する必要があります。
ビタミンがさまざまな生物学的プロセスを助けるのと同じように、ミネラルには血液中の電解質バランスの維持、消化酵素の合成、心拍の維持、ATPの生成、骨や歯の構築、胎児の発育、発毛、甲状腺ホルモン合成、DNA合成と修復、抗酸化酵素活性の促進などさまざまな機能があります。
食物繊維
食物繊維も重要な栄養素の1つです。
食物繊維は正常な消化機能を促進し、心臓病、高血圧、特定の種類のがんのリスクの減少に役立ちます。
一方で日本における食事状況の調査では、食物繊維の摂取が不十分である方が多いことがわかっています。
自然食品である全粒穀物には食物繊維が豊富に含まれているため、食物繊維の確保に適しています。
食物繊維は慢性疾患のリスクを抑えるのに役立つ短鎖脂肪酸の生成に繋がります。
人間の大腸には「マイクロバイオーム」と呼ばれる約38兆の細菌が生息していますが、マイクロバイオームが食物繊維を代謝するときに短鎖脂肪酸が作られます。
短鎖脂肪酸は幅広い抗炎症効果を持ち、免疫機能を高め、慢性疾患のリスクを最小限に抑えるのに役立ちます。
食物繊維はまた、血液へのブドウ糖の吸収速度を遅らせるのにも役立ちます。
これは糖質摂取による血糖値の大幅な上昇を防ぐことに繋がります。
つまり、精製によって線維や微量栄養素が少ない白米よりも、精製されていない玄米などの全粒穀物の方が血糖の上昇が緩やかになります。
さらに食物繊維は便をかさばる効果を持ち、便秘の解消にとても役立ちます。
水分
水分を微量栄養素と表示することに違和感があるかもしれませんが、水分は身体にとって必要なものであることは皆さん知っていると思います。
野菜や果物のなどの自然食品は一般的に質量で60から95パーセントの水分を含んでいます。
つまり、野菜や果物を食べることは水分も摂取していることになります。
野菜や果物などの自然食品を摂取することは水分を保つのに役立ち、心身の調子を向上させるだけでなく、必要な飲水量を減らしてくれる可能性があります。
抗酸化物質
抗酸化物質は鮮やかな色の植物性食品に含まれる化合物です(動物性食品にはほとんど含まれていません)。
抗酸化物質は血液や組織のフリーラジカルを中和し、抗炎症作用をもたらします。
植物性食品は動物性食品の平均64倍の抗酸化物質を含んでいます。
抗酸化物質は野菜や果物の鮮やかな色として認識できます。
さまざまな野菜や果物を食べるように意識することは健康にとって素晴らしいことです。
ファイトケミカル
微量栄養素の最後の紹介はファイトケミカル(またはフィトケミカル:phytochemical)です。
ファイトケミカルは植物化学物質のことを指し、ファイトケミカルは心血管疾患リスク、癌、脳卒中、糖尿病リスクの低下、および高齢患者の骨ミネラル密度と脳機能の改善に関連しています。
ファイトケミカルが豊富な食事は、あらゆる原因による全死因死亡または早期死亡を減らします。
微量栄養素は炎症を軽減し、免疫機能を高め、脳、性器、目、心臓の機能を改善します。
そのため、自然食品をしっかり摂取して微量栄養素を十分補給しましょう。
実際に何を食べて、何を避けるといいのかをカテゴリー分けにして以下に示します。
青カテゴリーを積極的に摂取し、赤カテゴリーは避けましょう。
青カテゴリーは低脂質で栄養価が高い一方、赤カテゴリーは飽和脂肪酸や添加糖などが多いです。
黄カテゴリーは不飽和脂肪酸ではありますが脂質量が少なくないので摂取は適度にしましょう。


