糖尿病を改善する食事を実践する場合、空腹に耐える必要はありません。
大切なことはカロリー密度を理解することです。
ではカロリー密度とはなんでしょうか。
カロリー密度とは、食品の一定重量におけるカロリー数を指す言葉です。
つまり、ある食品の1gあたりのカロリー数です。
一般的な食品のカロリー密度は、100gあたり約13カロリーから約890カロリーなどと幅があります。
前ページでご紹介した青カテゴリーの食品は、100gあたり約13カロリーから約160カロリーくらいでカロリー密度は低い方です。
黄カテゴリーの食品は、概ね100gあたり120カロリーから450カロリー程度であり、赤カテゴリーの食品は、概ね100gあたり120カロリーから890カロリー程度です。
つまり、青カテゴリーの食品から食べていくと摂取量の割にカロリー密度は低く収まります。
その結果、体重の減少やインスリン抵抗性の改善の程度が最も良くなります。
繰り返しになりますが青カテゴリーの食品を積極的に食べ、黄カテゴリーは控えめに食べ、赤カテゴリーできるだけ少なくするか食べないようにしましょう。
減量に関していえば、赤カテゴリーの食品を摂取しても減量は可能です。
しかし、インスリン感受性を最大化することになると、脂質の多い赤カテゴリー食品は控えるのが無難です。
食事の大部分を青カテゴリーの食品にすると、体重が減ると同時にインスリン抵抗性の改善効果が最大になります。
青カテゴリーの食品はカロリー密度が最も低いことに加えて、さまざまなビタミン、ミネラル、抗酸化物質、およびファイトケミカルを含んでいるため最も栄養価の高い食品でもあります。
黄カテゴリーと赤カテゴリーの食品の代わりに青カテゴリーの食品を多く食べることを意識しましょう。
研究では食事の摂取カロリーではなく、食事の摂取量そのものが満腹感を得る重要な要素であることが指摘されています。
言い換えると、同じカロリーであれば多くの量を食べた方が満たされます。
次の画像を見てください。(画像参照:What Does 200 Calories Look like?)


ブロッコリーとポテトチップスがありますが、どちらを食べた方が満腹感が得られると思いますか?
ブロッコリーの量は多く感じて、全て食べるのはけっこう大変そうだと思いませんでしたか?
一方、ポテトチップスは少ないと感じませんでしたか?
なぜそのように感じるのでしょうか。
それは総量の違いにあります。
ブロッコリーは588gありますが、ポテトチップスは37gしかありません。
ところが、これらのブロッコリーとポテトチップスは同じ200kcalです。
つまり太りやすさや痩せやすさは同じなのです。
ここで知ってほしいことは、カロリー密度の低いものを摂取することでたくさん食べることができ、空腹に耐える必要がなくなるといういうことです。
またブロッコリーとポテトチップスの違いを考えると、ブロッコリーにはビタミンやミネラル、抗酸化物質など健康的な栄養素が豊富な一方で、ポテトチップスには不要な脂質や添加物が豊富に含まれています。
糖尿病改善のためにどちらを摂取すべきか答えを出すのは簡単ですね。
他の食品についても見てみましょう。






これらの食品は全て同じカロリー(200kcal)です。
画像のセロリ、リンゴ、メロンを食べると600kcalとなるわけですが、お腹は満たされる感じがしませんか?
一般的な方であればお腹がいっぱいになって1食で全てを食べるのも難しいかもしれませんね。
一方で、画像のチョコレートバー、ピーナッツバター、キャノーラ油(油だけを摂取する人はいないと思いますが)を食べても600kcalですが、満腹感は得られそうでしょうか?
これくらいならペロッと食べてしまうことができる上に、物足りないのでさらに何かを食べたいという方が多いと思います。
お気づきかもしれませんが、左側の食品は青カテゴリー食品で右側の食品は赤カテゴリー食品です。
食品によるカロリー密度の違いがわかるかと思います。
つまり、青カテゴリー食品のようなカロリー密度が低い食品でお腹を満たせば、カロリー密度が高い食品でお腹を満たすよりも総摂取カロリーが減るため、体重も減ります。
青カテゴリーの中の低カロリー食品で食事の大部分を済ませることで、ほとんどの場合、1週間あたり約0.5kg-1.0kgの減量が自然に起こります。
そしてそれは、良好な血糖コントロールを得ることにもつながります。
さあ、低カロリー密度の食品を食べて、空腹を我慢することなく身体を軽くしていきましょう。